☆ 季節の言葉 【八月】 ☆ 


【 葉月 】
 新暦では夏の盛りの八月も旧暦では秋。月の異称や季語も
秋のイメージを誘う。代表的な異称「葉月」は、中国では月
に生えると信じられていた桂の葉の月という意味。秋が来て
木の葉の落ちる葉落月の略や、この月に雁が初めて来る初来
月の略などの説があります。また、他にも「月見月(つきみ
づき」「紅染月(べにぞめづき)」「桂月(けいげつ)」「
萩月(はぎつき)」などの呼び方もあるようです。
 残暑、晩夏、秋暑、夕立、土用波、盆踊り、雲の峰、
 蝉しぐれ、線香花火、虫の音


【 立秋(りっしゅう)】
 8月7日は二十四節気の一つ、立秋に当たります。
まだまだ暑い盛りですが、暦の上ではこの日から初め
て秋の気配が現れてきます。日中は猛暑でも朝晩の涼
しさや鈴虫やひぐらしの声が聞こえ始めてくると、確
実に秋の気配を感じ始めます。

【 お盆(おぼん)】
 地域によって異なるが7月または8月に行われる祖先の霊を祀る行事。
13日夕方の迎え火に始まり、16日の送り火に終わる。正式には「盂蘭
盆(うらぼん)」といい、古代のインド語の一つであるサンスクリット語
の「ウラバンナ」を漢字にあてはめた言葉です。仏壇に供えるキュウリの
馬は、これに乗って早くこの世にもどり、ナスの牛に乗ってゆっくりと戻
ってほしいと願いが込められています。また、あの世に帰る祖先を送るの
が送り火。京都の大文字送り火が代表的ですが、盆踊りや精霊流しなども
同じように送る行事の一つです。

【 送火(おくりび)】
 盂蘭盆会の精霊を迎える迎火の逆に最終日に送り出すのが送火。
京都での8月16日に行われる送火が有名です。この日は東山如意
ヶ嶽の「大文字」が有名ですが、他にも「妙法」、「船形」、「左
大文字」、「鳥居形」の五山に火が点じられ30分ほど市内から見渡
すことができます。

【 処暑(しょしょ)】
 8月23日は二十四節気のひとつ、処暑に当たります。
夏の蒸し暑さが峠を越し、後退しはじめ暑さが収まる頃の
意味合いです。昼間はまだまだ暑い日が続きますが、朝晩
は確実に涼しくなってきます。また、草むらの虫たちも鳴
き始め、夕方にはヒグラシの声も聞こえ、確実に秋の気配
を感じられてきます。二百十日・二百二十日とともに台風
の特異日とされています。

【 二百十日(にひゃくとおか)】
 8月31日は立春から数えて二百十日目に当たります。
この時期になると台風の厄日として昔から知られています
。それまで太平洋の海上を抜けて行った台風が、日本本土
に接近してきます。ちょうどこの頃は稲の花の盛りで、農
家では風祭りを行ったりしました。さらにこの日から10
日目の二百二十日が第二の厄日とされて台風を恐れていま
した。台風は数として8月が多いですが、被害では9月の
台風は上陸して大きな被害を残しています。


【 炎天(えんてん)】
 真夏の太陽がギラギラと照りつける大空のこと。直射日光が焼け付
く感じでいたたまれない感じ。歩く人も途絶えて静かさを感じさせる
ことも。1日中でもっとも暑いころは日盛り。鈍よりと曇った風もな
く暑くて汗がにじみでる不快指数が高い日中は油照りともいいます。

【 打ち水(うちみず)】
 炎天下の日には涼を求めて門前や庭路上などに
夕方には水まきをします。水がまかれた後を渡る
風に清涼感を求めました。また、路上や草木の濡
れる姿には見た目での涼しさを感じさせます。

【 残暑(ざんしょ)】
 立秋になってからの暑さを残暑と言います。また、こ
の日から暑中見舞も残暑見舞に変わります。この頃にな
ると真夏の暑さも炎天下での灼けつくような日差しにな
り、午後の人通りもぱったりと途絶えるほどです。秋風
の立つお盆過ぎまでこの暑さが続きます。

【 水中花(すいちゅうか)】
 水の入ったコップに入れると花のように開きます。木などを薄く
削って彩色したもので、夜店や雑貨屋などで販売されていました。
今ではほとんど見られなくなりましたが、インターネットで通販し
ている業者もおり、まだまだ人気があります。江戸時代から酒席で
杯などに浮かべる酒中花という水中花もありました。

【 涼風(すずかぜ)】
 晩夏に吹く心地よい風。ひそやかに秋の訪れを告げます。
この頃になると日本を覆っていた太平洋高気圧も後退し、夏
の終わりを感じる頃です。

【 土用波(どようなみ)】
 毎年、土用の時期の7月20日から8月7日頃になると1千キロも離
れたフィリピン近海に発生した台風の暴風が波浪になりうねりがそのま
ま日本の海岸までに届き土用波となります。土用波が届く頃になると海
水浴を控えたり、晴天でも遊泳禁止になるなど、波に警戒しました。

【 土用の丑の日/二の丑 】
 夏の暑い時期を乗り切る栄養をつけるために、鰻を食べ
ます。由来には諸説ありますが、平賀源内が発案したとい
う説が一般的です。土用入りの日が申から丑の日の間の場
合は丑の日が2回あることになり、2回目の丑の日を「二
の丑」といいます。

【 夏の果て(なつのはて)】
 過ぎ去っていく夏の哀惜の念が込められている言葉です。
同様の季語としては「夏終る」「暮の夏」「夏惜しむ」「夏の
別れ」などがあります。夏は祭りなどにお盆休みでの帰省、夏
休みなど行事が多く思い出の多い季節。暑さの盛りが過ぎて行
く夏を惜しむ気持ちは、子供の頃から感じるものです。

【 百物語(ひゃくものがたり)】
 夏の夜の暑さをしのぐのが怪談話。その怪談の話を始ま
る前に夕刻から百の灯りをともし、話が終わるごとに灯り
を一つ一つと消していき、ちょうどうしみつ時の午前2時
過ぎに百の話が終わると妖怪が現れると信じられた怪談会
です。落語でも夏の定番のように語られた話ですが、実行
するにはちょっと勇気がいります。

【 冷やし中華(ひやしちゅうか)】
 この季節にはラーメンに代わって登場するのが冷やし中華。これは
「冷やし中華そば」の略で日本で考案されたものです。ルーツは昭和
12年に仙台市内の中華料理店組合がつくったものだといわれます。

【 風鈴(ふうりん)】
 小さい釣り鐘のスズ。中国から伝来し大衆化しました。軒先などに
吊るして風に吹かれて鳴る音色を楽しみながら涼を感じさせます。

【 盆踊(ぼんおどり)】
 お盆になると、町中にやぐらが組まれて盆踊が始まります。これ
は盆に招かれた精霊を慰めて、送り出す踊りとして考えら、また無
縁仏の霊も追払います。ですが今では郷土の祭りとして阿波踊りの
ように全国的にも知られた観光用の祭りにもなってしまいました。


【 ヒグラシ 】
 お盆が過ぎた頃にカナカナと鳴き出すのがヒグラシ。セミの
中ではツクツクボウシよりも少し大きく中形の美しいセミです
。平地から山地にかけて薄暗い林の中にいて早朝や日暮れどき
に鳴きますが、夕暮れ時には妙に悲しく聞こえてきます。



-オマケ-【 季節の風 】-オマケ-

・炎風(えんぷう)
  真夏の日照りで熱くなって吹く風「熱風」「乾風」の同意語。

・大南風(おおみなみ)
  はげしく吹きつける夏の南風。

・涼風(すすかぜ)
晩夏に吹く涼しい風で秋の訪れを告げる。

・土用東風(どようこち)
  夏の土用の時期に吹く東風。

・夏嵐(なつあらし)
  緑の葉が生い茂る木々を揺るがして吹き荒れる風。

・夏疾風(なつはやて)
  突然に吹きだす烈しい夏風。




****** 無断転写禁止! (▼、▼メ) ******
 「季節の言葉」の壁紙写真は「あきひめさん(3.4.7.8.9.11月)」&「yamac
hanさん」(12月)他の方よりお借りした画像ですので、無断転写・複写&ダウ
ンロードはもちろんですが、直リンクも固くお断りします。 d(▼、▼メ)