Hermann Hesse/ヘルマン・ヘッセ
【1877−1962:ドイツ生まれの小説家・詩人】
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ドイツ出身(後にスイス国籍)のノーベル賞作家。小説『車輪の下』、『デーミアン
』、『シッダールタ』などにより広く各国でその名を知られています。日本においても
、早くは明治末から大正期にかけての文芸雑誌『スバル』が紹介して以来、深い思索に
裏打ちされた瑞々しい作品が、今日に至っても多くの人々に親しまれ続けています。と
ころが、文筆活動以外に、絵を描くことを好み、生涯に約3000点にのぼる水彩画を
遺していたことはあまり知られていません。水彩画を始めたのは40歳代になってから
のことですが、きっかけは、ちょうど第1次世界大戦頃、反戦的発言のために故国ドイ
ツで独立したことや、仕事の疲れ、家庭内の不幸などによって、社会的にも個人的にも
苦境に直面し、精神的な危機に陥っていた時期に水彩画制作に安らぎや慰めを見いだし
たことによるといわれます。自分の生活圏(第二の故郷と居を定めたテッシン州モンタ
ニョーラ近辺)の家々や山並の風景を即興的に表現した作品を繰り返し描いていますが
、技術的には独学者の域にとどまるものとはいえ、それらの作品は、自然と対話する真
摯な心、詩人の魂の痕跡を辿るような感興を起こさせます。水彩画は単なる嗜みではな
い、彼の文筆と源を同じくして生み出されたものと考えてよく、文学者ヘッセを考察す
るうえでも興味深い資料といえます。
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