☆ M・T・キケロ ☆ 


Marcus Tullius Cicero/マルクス・トゥリウス・キケロ
【106−43BC:ローマの政治家・哲学者】
 騎士階級出身で、ローマで文学・弁論術・哲学を学んだ。思想ではプラトンの流
れをくむ新アカデミーアの影響を、論風では純ギリシア的なアッティカ風の影響を
受けた。演説には、父親殺しのロスキウスを弁護した『ロスキウス・アメリーヌス
弁護』、ウェッレースの無謀な搾取を告発した『ウェッレースを訴う』、毒殺未遂
のクルエンティウスを弁護した『クルエンティウス弁護』、カテリーナの暴動の陰
謀を暴露した『カテリーナ弾劾』、ローマ市民権を持っていないと告訴されたアル
キアースを弁護する『アルキアース弁護』、元老院でアントニウスを弾劾した『ピ
リッピカ』などがある。対話人物の1人に作者の意見を代弁させる「対話篇」では
、キケロの一時代前の弁論家が弁論家の必要とする素養について山荘で論じる『弁
論家について』、共和制ローマの究極的な理想国家を論じる『国家論』、ギリシア
・ローマの弁論術史について語る『ブルートゥス』などがある。宗教関連では、後
世のキリスト教神学に影響を与えた『神々の本質について』、予言の的中を偶然だ
とする『占卜について』、自由意思を論じた『宿命について』がある。その他の著
作では、生きる為に哲学を学ぶ必要性を説いた『アポロニウスに送る慰籍』および
『ホルテンシウス』、新アカデミーア学派の哲学を紹介した『アカデミーカ』、人
間の究極的目的の至上善を論じた『至善至悪論』、肉体的苦痛が悪でなく、知恵と
は忍苦と死の蔑視であり、賢者とは心の同様に乱されない者で、美徳こそ至福への
道であると説く『トゥスクルム哲学論議』、美徳(知恵、正義、勇気、節制)と実
益の一致を説く『義務について』などを書いた。書簡集では、『友人宛て書簡集』
16巻、『アッティクス宛て書簡集』16巻、『ブルートゥス書簡集』2巻など、
総数864通(うち90通はキケロ宛て)が現存している。
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◇ 恩を受けた人は、
  その恩を心にとめておかねばならない。
  しかし、
  恩を与えた人は、
  それを覚えているべきではない。

◇ 艱難(カンナン)に会って初めて真の友を知る。

  【艱難(かんなん)】
   災難や困難。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−

◇ 賢明な思考よりも、
  慎重な行動が重大である。

◇ 困難が大きければ大きいほど、
  栄光も大きい。

◇ 時間がそれを軽減し和らげてくれないような悲しみは一つもない。

◇ 人生より友情を除くならば、
  世界より太陽を除くことに等しい。

◇ 節倹は大いなる収入である。

◇ たとい神とは何であるか知らずとも、
  神をあがむることを知らない民族ほど野蛮な民族はない。

◇ 誰でもまちがいをすることはある。
  しかし、
  まちがいを固執するのは馬鹿以外にはない。
  諺もいっているように、
  二度、
  考えなおした考えがいちばんいい。

◇ 汝は生きるために食うべきで、
  食うために生きるべきでない。

◇ 何人も誤らない者はない。
  けれども敢えてその誤りをあくまで固執する者は愚人である。

◇ 人間の一生を支配するのは運であって、
  知恵ではない。

◇ まちがうのは人間の特性であり、
  道理をわきまえぬ者だけが自分の過ちにこだわる。

◇ 最も難しい三つのことは、
  秘密を守ること、
  他人から受けた危害を忘れること、
  暇な時間を利用すること。

◇ ヤギだの羊だのを各自がどれくらい持っているかは言えても、
  友だちをどれくらい持っているかは言えない。