| 【 「て」の蔵 】 |
◎「庭訓(テイキン)」 −論語(ロンゴ)・季氏−
孔子が、自分の子が庭を走り抜けるのを呼びとめて詩や礼を学ばなければいけ
ないとさとしたということ。つまり、家庭で子に親が教えること。親が子に教
える教訓。にわのおしえ(訓読み)。
◎「亭主の好きな赤烏帽子」 −江戸いろはがるた−
烏帽子は黒塗りが普通であるが、亭主の好みとあれば人から笑われるようなど
んな変なことでも家族はそれに調子を合わさなければならないということ。つ
まり、絶大な権力を握っている者には自分の意思を曲げても従うということ。
◎「泥酔(デイスイ)」 −李白(リハク)・襄陽歌(ジョウヨウカ)−
そばで見ている人が子供たちに、一体何を笑っているのかと尋ねてみたところ
、山翁(サンオウ)老人が「酒に酔って、泥のように正体がないのがおかしく
て、笑っているのです」と答えた、という「笑殺山翁酔似泥」から、正体をな
くすほど酒に酔うこと。
【泥(でい)】
(3)南海に住むと考えられた骨のないぐにゃぐにゃした虫。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「手書きあれども文(フミ)書きなし」
字の上手い人は多いが、うまい文章を書く人は少ないということ。
◎「敵無きに矢を放つ」
相手がいないのに無闇に矢を放つ。つまり、目的がないのにむやみに事をすす
めること。
◎「敵は本能寺に在り」 −明智光秀(アケチミツヒデ)−
明智光秀が、備中の毛利を攻める豊臣秀吉を助けると見せて、急に方向を変え
、京都の本能寺にいた主君、織田信長を討ったという故事。つまり、本当の目
的は、見かけとは違って別のところにあること。
◎「敵もさるもの引っ掻くもの」
競い合ってる相手もさすがに優れているとうこと。
「さる」に「猿」をいかけて「引っ掻くもの」と続けた言葉遊びです。
◎「梃子(テコ)でも動かぬ」
梃子を使っても動かないということ。つまり、どんな手段を用いても動かすこ
とができないこと。また、いくら説得しても聞き入れないこと。
【梃子/梃(てこ)】
棒の一点を支点とし、そこを中心として棒を回転できるようにしたもの。作
用点や力点の位置をかえて重い物体を小さな力で動かしたり、小さな動きを
大きな動きに変えたりするのに用いる。槓杆(こうかん)。レバー。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
【槓杆/槓桿(こうかん)】
(1)「てこ」に同じ。
(2)銃の遊底(ゆうてい)を操作するための握り。
(3)一方の端を構造体に固定した梁(はり)や肱木(ひじき)。
−大辞泉−
◎「手塩に掛ける」
手塩を使って自分の食事に味をつけること。つまり、自分の手で世話をして大
切に育てること。
【手塩(てしお)】
(1)それぞれの食膳に備えた少量の塩。古く、食膳の不浄を払うために、
小皿に盛って添えたという。
(2)「手塩皿(ざら)」の略。
(3)手ずから世話をすること。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「鉄は熱いうちに打て」
鉄は熱して軟らかいときに打って種々の形に仕上げる。つまり、人間は若年の
うちに教育し鍛えるべきであるということ。また、何事にも時機を逃してはな
らないということ。
◎「轍鮒(テップ)の急」 −荘子(ソウジ)・外物−
差し迫った危機・困窮に瀕(ヒン)すること。
【轍鮒(てっぷ)】
〔荘子(外物)〕車輪の跡の水たまりにいる鮒(ふな)。危急が目前に迫っ
ているたとえ。わだちのふな。
【轍(てつ)】
車輪の跡。わだち。
【鮒(ふな)】
コイ目コイ科フナ属の淡水魚の総称。全長約15〜40センチメートル。コ
イに似るが、口ひげを欠き体高が大きく、側扁する。体色は銀白色で、背は
暗褐色を帯びる。形態的特徴からキンブナ・ギンブナ(マブナ)・ゲンゴロ
ウブナ(ヘラブナ)などに分かれる。突然変異した個体を品種改良したもの
がキンギョとされる。釣魚として親しまれる。食用。アジア・ヨーロッパな
どの湖沼・河川に分布。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
【故事】
轍に鮒がいた。問うと、「水を汲んできて助けてくれ」と言う。「これから
呉か越に行って水を得て、それからお前を迎え入れよう」と言うと、鮒は大
いに怒り、「今は一刻を争うところであり、後日の大量の水よりも一滴の水
が必要なのだ。そうでなければ私は死ぬから、私を迎えたいのであれば、乾
物屋にでも行って探し求めるが良い」と言った。
−荘子(ソウジ)・雑篇・外物−
◎「鉄面皮(テツメンピ)」
顔の皮がまるで鉄でできているように、恥を恥とも思わない人のこと。つまり
、恥知らずなこと。ずうずうしいこと。
◎「手鍋を提げる」
自分で炊事をするような貧しい生活をすること。「手鍋(を)提げても」の形
で、好きな男との生活ならば苦労をいとわない意味で用いることが多い。
◎「手のない将棋は負け将棋」
何事にも手段がなければ、成功はおぼつかないということ。
◎「掌(テノヒラ)を反(カエ)す」
【原】「易二於反掌、安二於泰山一」 −漢書(カンジョ)・枚乗伝−
物事がきわめてたやすくできること。また、急に態度が変わること。
【掌/手のひら(てのひら)】
手首から先の、握った時に内側になる面。たなごころ。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「出船に船頭待たず」
風任せの帆船は、追い風になると、船頭を待たずに出港するということ。つま
り、ひとたび好機がきたら、すぐに行動に移すべきであるということ。
◎「手前味噌で塩が辛い」
自家製の味噌だからおいしいと言われ、食べてみたら塩辛くてまずかったとい
うこと。つまり、自慢話ばかりするので聞き苦しいこと。
また、自分の作った味噌なら、どんなに塩辛くても美味しいと思うこと。つま
り、自分でしたことなら何でもよいと思うこと。
◎「寺から里へ」 −京都いろはがるた−
寺から檀家(ダンカ)へ物を贈ること。つまり、物事があべこべになっている
こと。
【檀家(だんか)】
〔「だんけ」とも〕ある寺の信徒となり、布施などの経済的援助を持続して
行い、葬式・法事などを行なってもらう家。また、その家の人。檀方。
【信徒(しんと)】
ある宗教を信仰し、その教団に属する者。また一般に、ある宗教の信者。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「出る杭は打たれる」
ほかの杭より高く出た杭は打ちへこまされるということ。つまり、でしゃばっ
たふるまいをする者、または、才能が優れている者は、他の人間から憎まれた
り妨害されたりすることが多いということ。
◎「手を拱(コマヌorコマネ)く」
【原文訳】「先生に道で出会ったら、
走って前に行き正しく立って両手を前に組み合わせる」
昔の、中国の敬礼の一つで、両手の指を胸の前で組み合わせて挨拶すること。
−礼記(ライキ)・曲礼上−
何もしないでいること。または、何もできないでいること。手を束(ツカ)ね
ること。 −史記(シキ)・始皇本紀賛−
また、腕組みをすること。腕を組んで深く考え込むこと。
【拱く(こまぬく)】or【拱く(こまねく)】
(1)両手を胸の前で重ね合わせる。腕を組む。もと、中国の敬礼の動作。
(2)手出しせず傍観する。なにもしないで見ている。こまねく。
【手を束(ツカ)ねる】
(1)「手をこまぬく」に同じ。
(2)手を組んで、恭順や謝罪の意を表す。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「天下は回り持ち」
一族や一派がいつまでも天下を取っていられるものではなく、次々と変わるも
のだということ。また、貴賤貧富などの運命は人々の間をめぐるということ。
◎「天知る、地知る、我知る、人知る」 −後漢書(ゴカンジョ)−
誰も知らないと思っていても、天と地と自分自身と、あなたも知っている。つ
まり、悪事は、いつかは必ず露見するものであるということ。
中国・後漢の楊震に地方役人が賄賂を差し出した時、それを断って言った言葉
。「四知」ともいう。
◎「天高く馬肥ゆ」
秋は空が澄みわたって高く晴れ、馬は肥えてたくましくなるということ。秋の
好時節のこと。
◎「天地は万物の逆旅(ゲキリョ)、
光陰は百代の過客にして浮世夢の如し」
−李白(リハク)・春夜桃李園に宴する序−
天地はすべてのものを泊める旅館のようなもの。刻一刻と流れ去っていく時間
は永遠に旅を続けていく旅人のようなもの。つまり、人の世というものは夢の
ようにはかないものであるということ。
【逆旅(げきりょ)】
(1)〔旅人を逆(むか)える所の意〕旅館。やどや。
(2)旅。また、旅をすること。
−三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「天道(テンドウ)人を殺さず」 −尾張いろはがるた−
天の道理は常に正しく、 決して善良な人間を見捨てたりするような無慈悲な
まねはしないということ。
【天道(てんどう)】〔「てんとう」とも〕
(1)天の道理。天理。天の道。⇔地道
(2)天地を支配する神。天帝。天。
(3)天体の運行する道。天の運行。
(4)太陽。
(5)〔仏〕六道の一つ。天人の住む世界。欲界・色界・無色界の天をいう
。天趣。天界。→天
−三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「天に唾(ツバキ)す」
【原】「悪人の賢者を害するは、
猶(ナオ)天を仰ぎて唾するがごとし。
唾天を汚さず、
還って己が身を汚す」 −四十二章経(シジュウニショウキョウ)−
天に向かって唾を吐いても、天を汚すどころか、逆に自分の顔にふりかかって
くる。つまり、他人に危害や被害を与えようとして、かえって自分が損をする
ということ。
◎「天は二物を与えず」
一人の人間がそういくつもの才能や資質を備えてはいないということ。
◎「天、
我が材を生ずる。
必ず用あり。」
−李白(リハク)−
◎「天を怨みず人を尤(トガ)めず」
どんな苦しみに陥っても世に認められなくとも、運命を恨まず、社会や他人を
非難することなく、ただ安らかに自分の心や行いを正すべきである、というこ
と。
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