☆ 故事&ことわざ ☆ 


【 「す」の蔵 】
◎「粋(スイ)が川へ陥(ハマ)る」
  事情に通じ、知ったかぶりをする人がかえって失敗するということ。
  【粋(すい)】
   (1)世の中や人情の機微に通じていること。特に、男女のことや遊里・芸
      人社会などに通じ、とりなしがさばけていて、言動などがあかぬけて
      いること。また、そうしたさま。いき。
   (2)すぐれていること。また、そうしたもの。
   (3)まじりけのないこと。また、そうしたもの。純粋。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「粋(スイ)が身を食う」
  花柳界などの事情に通じて、粋人ともてはやされるようになると、つい深入り
  して身を滅ぼすことになるということ。
◎「水火(スイカ)も辞さない(辞せず)」
  水におぼれ、火に焼かれるようなひどい苦しみも恐れないこと。どんな苦しみ
  や危険をも恐れずに力を尽くそうと決意すること。
  【水火(すいか)】
   (1)水と火。
   (2)洪水と火災。また、そのように勢いの激しいもの。
   (3)水におぼれ、火に焼かれるようなひどい苦しみ。
   (4)(水と火のように)互いに相いれないもの。きわめて仲の悪いこと。
  【辞さない(じさない)】
   恐れない。ひるまない。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「垂涎(スイゼン)の的」
  何としてでも手に入れたいと思うほどの貴重なもののこと。
  【垂涎(すいぜん)】〔「すいせん」「すいえん」とも〕
   (1)よだれをたらすこと。
   (2)ある物をしきりに欲しがること。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「翠(スイ)は羽を以って自ら残(ソコナ)う。」
              −劉子新論(りゅうししんろん・中国の思想書)−
  美しい羽をもっているかわせみは、その美しい羽ゆえに捕らえられたり殺され
  たりするということ。つまり、人間も才能や長所が目立ちすぎると妬まれたり
  攻撃されたりするというたと。分をわきまえて生きることが大切だという処世
  。訓
  【翠(すい)】
   翡翠(かわせみ)。
  【残う(そこなう)】
   傷つける、殺す。

かわせみ
− かわせみ −
  【川蝉/〈翡翠〉/〈魚狗〉(かわせみ)】
   (1)ブッポウソウ目カワセミ科の鳥の総称。日本にはカワセミ・アカショ
      ウビン・ヤマセミなど数種がいる。
   (2)(1)の一種。全長17センチメートル内外。飛ぶと瑠璃(るり)色
      の背が光り、腹面は栗色で美しい。嘴(くちばし)が大きい。水辺に
      すみ、川魚・カエル・昆虫などを食べる。ユーラシア・アフリカに分
      布。日本では全国で見られる。ヒスイ。ショウビン。[季]夏。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「粋(すい)は身を食ふ」  −江戸いろはがるた
  花柳界(カリュウカイ)などで、粋人ともてはやされると、ついおぼれて身を
   ほろぼすことになるということ。
  【粋(すい)】
   (1)世の中や人情の機微に通じていること。特に、男女のことや遊里・芸
      人社会などに通じ、とりなしがさばけていて、言動などがあかぬけて
      いること。また、そうしたさま。いき。
      ⇔無粋(ぶすい)
      ⇔野暮(やぼ)
   (2)すぐれていること。また、そうしたもの。
   (3)まじりけのないこと。また、そうしたもの。純粋。
  【花柳界(かりゅうかい)】
   芸者・遊女などの社会。遊里。花柳の巷(ちまた)。
  【粋人(すいじん)】
   (1)風流な趣味をもつ人。風流人。
   (2)世間の裏表や人情の機微に通じた、物わかりのよい人。
   (3)花柳界の事情に通じ、その方面に顔の広い人。通人。粋者。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「酸(ス)いも甘いも噛み分ける」
  酸っぱい物と甘い物の区別をよくわきまえて味わい、各々のいい面も悪い面も
  知り尽くしているということ。つまり、人生経験が豊富で、世事・人情によく
  通じていること。また、それをもとに適切な判断が出来ること。
◎「酸いも甘いも知っている」
  酸っぱい物と甘い物の区別をよくわきまえて、各々のいい面も悪い面も知り尽
  くしているということ。つまり、人生経験が豊富で、世事・人情によく通じて
  いること。また、それをもとに穏便適切な判断が出来ること。
◎「据え膳食わぬは男の恥」
  女の方から誘惑してきたとき、それに応じないようでは男として恥だというこ
  と。
◎「好きこそ物の上手なれ」
  好きな事にはおのずと熱中できるから、上達が早いものだということ。
◎「好(ス)く道より破る」
  得意なことほど、油断しがちで、かえって失敗するということ。
◎「少しく屈して大いに伸ぶ。」  −南斉書(ナンセイショ)
  からだを少しかがめても苦しいと言うな。あとで大いに背を伸ばすためなのだ
  ということ。つまり、いま苦しいことに辛抱すれば、やがては大きく発展する
  ことにつながるということ。
◎「雀の千声鶴の一声」
  雀のようなつまらない者の千言よりも、鶴のような優れた者の一言の方が勝っ
  ているということ。
◎「雀百まで踊り忘れぬ」  −京都いろはがるた
  雀は幾つになっても飛び跳ねることをやめない。つまり、幼いころについた習
  慣は改まりにくいということ。また、若い頃身についた道楽がいくつになって
  もやまないこと。「踊り」は浮気の象徴で、遊び癖の抜けないこと。
◎「スタートが良ければ、
  半分は成功したようなものだ。」  −ギリシャのことわざ−
◎「棄てる神あれば拾う神あり」
  見捨てて相手にしてくれない人もいるが、助けてくれる人もいるということ。
  つまり、世の中はさまざまだから、困ったことがあってもくよくよすることは
  ないということ。
◎「砂の底から玉が出る」
  そこにも、ここにもあるような物のなかに、とても貴重な物が混じっていると
  いうこと。
◎「すべての道はローマに通ず」
  ローマ帝国が盛んであった時代には、どの道もローマへと通じていたというこ
  と。つまり、目的を達成するのに手段はいくつもあるが、真理はひとつである
  ということ。
◎「滑り出しが好調なら、
  事は半ば成就したも等しい。」
◎「すまじきものは宮仕え」
  会社や官庁に勤めるのは気苦労が多くつらいものだから、できるならしない方
  がよいということ。つまり、勤めは気苦労の多いもので、できれば避けたいも
  のだということ。
  【すまじき】(連語)
   〔サ変動詞「す(為)」の終止形に助動詞「まじ」の連体形「まじき」の付
   いたもの。連体詞のように用いる〕してはならない。すべきではない。
  【宮仕え(みやづかえ)】
   (1)宮中に仕えること。貴人に仕えること。みやづかい。
   (2)勤めを持つこと。人に仕えること。みやづかい。
   (3)奉仕すること。仕えること。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「相撲に勝って勝負に負ける」
  力士が手段としては優位に立ちながら勝負では負けるということ。つまり、経
  過はよいのに結果は悪いということ。
◎「相撲に負けて妻の面(ツラ)張る」
  相撲に負けた口惜しさを家に帰って妻に八つ当りすること。つまり、外で面白
  くない事があったうっぷんを家で晴らすこと。「内弁慶」のこと。
◎「墨に染まれば黒くなる」  −尾張いろはがるた
  人は環境や交わる友によって良くも悪くもなるということ。
◎「寸鉄(スンテツ)人を殺す」  −鶴林玉露(カクリンギョクロ)−
  小さい武器で相手の急所を突くこと。つまり、ごく短い言葉で人の急所を突く
  こと。ちょっとした言葉でありながら、人の心に深く食い入るようなもの。
  【寸鉄(すんてつ)】
   小さな刃物。小さな武器。
  【鶴林玉露(かくりんぎょくろ)】
   南宋の随筆。羅大経(らだいけい)著。一六巻(増補後一七または一八巻)
   。1248年成立。文人・学者の詩文についての論評を中心に、逸話なども
   収める。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−