☆ 故事&ことわざ ☆ 


【 「ふ」の蔵 】
◎「風雲急を告げる」
  風と雲が急に変化して、嵐が来ることを予感させること。つまり、何か大事件
  が起こりそうな気配がすること。
◎「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」
  拾ったものでも何でもよく食べる犬でさえ、夫婦喧嘩は見向きもしないという
  こと。つまり、夫婦喧嘩は一時的なつまらない争いで、すぐに仲直りするもの
  だから、他人が本気になって仲裁などするほどのことはないということ。
◎「夫婦喧嘩は貧乏の種蒔き」
  夫婦仲が悪い家庭はだんだん貧乏になるということ。
◎「夫婦は二世(ニセ)」
  夫婦のつながりはこの世だけでなく、あの世、つまり死んでから生まれ変わる
  という国まで続くということ。
  【二世】
   現世と来世。この世とあの世。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「笛吹けども踊らず」
 【原】「われら笛ふけどもなんじら踊らず」
                   −新約聖書・マタイ伝福音書第11章−
  人に何かをさせるつもりで、様々に手立てを整えて誘っても、相手が動かない
  こと。また、先に立って扇動しても、まったく応じず、動き出そうとしないこ
  と。
◎「深い川は静かに流れる」
  本当に力量のある人や思慮深い人は、決して騒ぎ立てることなく沈着に行動す
  るということ。
◎「覆水(フクスイ)盆に返らず」  −漢書(カンジョ)・朱買臣伝−
  漢の朱買臣の妻は夫に愛想をつかして別れたが朱が出世するや復縁を求めてき
  た。しかし、朱は盆の水を地にこぼし、これをもとに戻したら応じようと答え
  たという。この出来事から一度離婚した夫婦の仲は戻らない、また、一度行っ
  た行動や発言はもとのようにできないということ。
  「拾遺記(シュウイキ)」には太公望の話として同様の故事があります。
  【覆水(ふくすい)】
   ひっくり返った容器からこぼれた水。
  【盆(ぼん)】
   (1)ふちが浅くて平たい、物を載せる器。
   (2)「盆茣蓙(ござ)(1)」のこと。また、転じて博打(ばくち)のこと
      。
   (3)家。すまい。宿。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「不倶戴天(フグタイテン)」  −礼記(ライキ)・曲礼上−
  「倶(とも)に天を戴(いただ)かず」ということ。つまり、この世に共存で
  きないどうしても許せないと思うほど深く恨むこと。
   本来は、父が殺された時は、その子は必ず、その仇を討つべきであることを
  言ったものだが、後には父に限らず、主君の仇にも使うようになりました。
◎「福はかすかなるより生じ、
  禍はおろそかにするより生ず。」  −説苑(ゼイエン)
  些細な親切が思わぬ幸運を呼び、また、小さな油断が思わぬ失敗を招くので、
  普段の心がけが大切だということ。
◎「河豚(フグ)は食いたし命は惜しし」
  河豚料理は食べたいが、その毒に当たるのが恐ろしい。つまり、結果の恐ろし
  さを思うと、なかなか実行に移せないこと。
◎「巫山(フザン)の夢」
           −宋玉(ソウギョク)の詩「高唐賦(コウトウノフ)」−
  中国の楚(ソ)の懐王(カイオウ)が夢の中で巫山の女神{天帝の末娘の瑤姫
  (ヨウキ)}と情を通じたが、女神が去り際に、
  「私は巫山の峰に住み、
   朝には雲となり、
   夕暮れには雨になります」
  と言ったという。つまり、男女の情交を結ぶことや、男女間の情愛のこまやか
  なこと。
  【巫山(ふさん)】
   中国、四川省東端、湖北省との境近くにある山。付近に長江が刻んだ峡谷、
   巫峡があり名勝地として知られる。ウー-シャン。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「武士に二言はない」
  武士は信義と面目を重んじるので、一度口にした言葉は取り消さないというこ
  と。つまり、一度言ったことは必ず守るということ。
◎「武士は相見互い」
  武士同士はお互いに同じ立場にあるのだから、思いやりをもって助け合わなけ
  ればならないということ。
◎「武士は食わねど高楊枝」  −京都&尾張いろはがるた
  武士たるものは貧乏でご飯が食べれないときでも食べたような振りして楊枝を
  使うという。つまり、貧しくてもものほしそうにせず、気位を高く持っている
  べきだということ。
◎「無精者の一時働き」
  いつもなまけていて何もしない者が、急に思い立ったように働き始めても、そ
  れは一時のことで長続きするはずがないということ。
◎「負薪(フシン)の憂え」  −礼記(ライキ)・曲礼下−
  たきぎを背負って働いたためにわずらう病気、また、病んでたきぎを負うこと
  ができないこと。つまり、自分の病気をへりくだっていうこと。
  【負薪(ふしん)】
   たきぎを背負って運ぶこと。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「負薪(フシン)の資」  −後漢書・袁紹伝−
  たきぎを背負う生まれつきのことから、身分卑しい生まれつき。
  【負薪】
   たきぎを背負って運ぶこと。
  【後漢書】
   中国、二十四史の一。後漢の歴史を記した紀伝体の書。一二〇巻。南朝宋の
   范曄(はんよう)の撰。本紀一〇巻・志三〇巻・列伝八〇巻。そのうち志は
   晋の司馬彪(しばひよう)の「続漢書」の志を北宋時代に合刻したもの。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「不退転」
  仏道の修行が進んで、心に迷いがおこったり、退いたりすることがなくなると
  いうこと。つまり、へこたれずにがんばること。
◎「二重(フタエ)作りは三重(ミエ)の損」
  ものごとをダブってすると、そのためによけいな手間がかかってしまい、三重
  の損をしたのと同じようなことになるということ。
◎「豚に真珠」
  高価なものでも、その価値がわからない者には何の役にも立たないということ
  。
◎「豚に念仏 猫に経」
  理解できない相手に、ありがたい教えや、ためになることをいくら言って聞か
  せてもなんの効果もなく、無駄であること。
◎「二人は伴侶三人は仲間割れ」
  【英】Two is company, but three is none.
  二人なら仲良くやっていけるが、三人になれば、とかく一人が仲間外れになっ
  てうまくいかなくなることが多いということ。
◎「釜中(フチュウ)の魚(ウオ)」  −資治通鑑(シジツガン)・漢紀−
  釜の中で煮られようとしている魚。つまり、目前に死のせまった状態。
  【釜中(ふちゅう)】
   かまの中。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「釜中(フチュウ)の魚(ウオ)を生ず」  −後漢書・范冉伝−
  後漢の范冉(ハンゼン)が貧しくて永い間飯をたかないでいると釜にぼうふら
  がわいたという故事。つまり、きわめて貧しい生活のこと。
  【釜中】
   かまの中。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「葡萄酒(ブドウシュ)には樽の味がつく」  −ヨーロッパのことわざ−
  葡萄酒には樽の味がしみついているということ。つまり、人の言動にはその人
  の人柄や性格が現れるものだということ。
◎「舟(フナ)盗人(ヌスビト)を徒歩(カチ)で追う」
  船を盗んで逃げる泥棒を、陸上から追いかけること。つまり、無駄な骨折りの
  こと。
  【〈徒歩〉/徒(かち)】
   (1)乗り物を使わず歩くこと。とほ。
   (2)陸路を行くこと。
   (3)武士の身分の一。江戸時代、幕府・諸藩とも御目見得以下、騎馬を許
      されぬ軽輩の武士。おかち。
   (4)「徒侍(かちざむらい)」の略。
   (5)「徒士組(かちぐみ)」の略。〔(3)〜(5)は「徒士」とも書く〕
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「舟(フネ)に刻(キザ)みて剣を求む」
                    −呂氏春秋(リョシシュンジュウ)
  中国の楚の国で、乗っている舟から剣を落とした人が、あとで探す時のために
  舟べりに目印をつけ、舟が岸に着いたあとでその目印の下を探したが、剣は見
  つからなかったということ。つまり、古い考え方やしきたりにこだわり、時代
  の移り変わりに気づかないこと。
◎「船に乗れば船頭任せ」
  一度船に乗ってしまえば、あとは船頭に任せるのが賢明であるということ。つ
  まり、何事もその方面の専門家に任せるのがよいということ。
◎「船は帆でもつ
  帆は船でもつ」
  帆掛け船は帆がなくては走れないし、帆も船がないと使い道がないということ
  。つまり、世の中はお互いに助け合ってはじめて価値がでてくるものであると
  いうこと。
◎「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」
  両親から受けた恩は、他に比べるものがないほど大きいということ。
◎「文(フミ)はやりたし書く手は持たず」  −江戸いろはがるた
  好きな人に気持ちを伝えたいけれど、字を知らないため手紙も書けず、人にも
  たのめないということ。つまり、好きだと言う思いを伝える方法がなく、やき
  もきすること。
◎「踏めばくぼむ」
  何かをすれば必ずその結果は現れるということ。また、原因に対する結果がは
  っきりしていること。
◎「冬来りなば春遠からじ」
  暗い冬のあとに、じきに明るい春が来るのは自然の理であるということ。つま
  り、今、辛いこと厳しいことがあっても、その先には明るい希望が見えている
  から元気を出そうということ。
◎「降りかかる火の粉は払わねばならぬ」
  自分の身体に降りかかってくる火の粉は払わなければ自分の身が危険になると
  いうこと。つまり、人から危害を加えられる時には、自分にやましいところが
  ないからといって、澄ましているわけにはいかず、それを積極的に防がなけれ
  ばならないということ。
◎「古川に水絶えず」
  基礎(伝統)がしっかりしたものは、一見下火になったように見えても、命脈
  をしっかり保っているということ。つまり、名門と言われる家などは、それな
  りに続いていくものであるということ。
◎「古傷は痛み易」
  古傷は治ったようでも、季節の変わり目などに痛みやすい。つまり、過去の失
  敗や悪行が何かにつけ思い出されて、胸が痛んだり、新たな災難を呼んだりす
  るということ。
◎「古木に手をかくるな、
  若木に腰掛くるな」
  将来性のない者(古木)には構うな、今、芽が出ていなくとも将来性のある者
  (若木)には敬意を払えということ。
◎「古屋の造作」
  予想外に手間や費用がかかること。高いお金をかけてリフォームしたわりには
  効果が上がらないということ。
◎「踏んだり蹴ったり」
  重ね重ねひどい目にあうこと。
◎「分別過ぐれば愚に返る」
  あまり考えすぎると、迷ってしまってかえって失敗するということ。