☆ 故事&ことわざ ☆ 


【 「え」の蔵 】
◎「潁水(エイスイ)に耳を洗う」  −高士伝(コウシデン)
  中国古代、尭(ギョウ)から天子の位を譲ろうといわれた隠士(インシ)許由
  (キョユウ)が、汚れた話を聞いたといって潁水(エイスイ)で耳を洗い清め
  たという。つまり、世俗的な栄達を避けること。
  【潁水(えいすい)】
   中国、河南省の鄭州(ていしゆう)付近に源を発し、南東に流れ、安徽(あ
   んき)省で淮河(わいが)に注ぐ河川。長さ500キロメートル。潁川(え
   いせん)。イン-シュイ。
  【隠士(いんし)】
   俗世間との交わりを断ち、隠れ住む人。隠逸の士。隠者。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「英雄色を好む」
  英雄と言われる人は何事にも精力的で、女色を好む傾向が強いということ。
◎「得(エ)難(ガタ)きは時、会い難きは友」  −謡曲「西行桜」−
  良い機会や良い友人に巡り合うことは難しいということ。
  【謡曲(ようきょく)】
   (1)能の詞章。
   (2)能の詞章だけを謡う芸事。本来の演能に含まれる役者の動き・囃子(
      はやし)・間狂言(あいきようげん)を除外し、シテ・ワキ・地謡(
      じうたい)などの分担を行わず、詞章全体を一人で謡う。謡(うたい
      )。
  【西行桜(さいぎょうざくら)】
   (1)能の一。四番目物。世阿弥作。大勢の花見客のため閑居の楽しみを妨
      げられた庵室の西行は、それが花の咎(とが)であると歌に詠む。や
      がて、桜の精が現れ、西行の歌に反論して桜の名所を語り、ともに春
      宵(しゆんしよう)の興趣を楽しむ。
   (2)地歌の一。菊崎検校作曲。手事物(てごともの)。(1)に基づく。
  【庵室(あんしつ)】
   〔「あんじつ」とも〕僧・尼あるいは隠遁者(いんとんしや)の質素な住ま
   い。いおり。
  【隠遁(いんとん)】
   世事を逃れ、隠れ住むこと。
  【春宵(しゆんしよう)】
   春の宵。[季]春。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
  cf.勝持寺(しょうじじ・別名西行寺):京都市西京区大原野南春日町1194
     “花の寺”とも呼ばれ、境内に約100本の桜がある。1140(保延
    6)年、この寺で出家した西行法師が植たといわれ、鐘楼の傍らに銘木「
    西行桜」がある。開創は白凰時代〔672−686・天武天皇(天武1−
    15)〕に役行者(エンノギョウジャ)、あるいは延暦年間(782−8
    06)に最澄とする説がある。天台宗。
    【役行者(えんのぎょうじゃ)】
     「役小角(えんのおづの)」に同じ。
    【役小角(えんのおづの)】
     七、八世紀に大和の葛城山にこもって修行した呪術者。妖言を吐いたと
     の理由で伊豆に流されたと伝えられる。修験道の開祖と仰がれる。役行
     者(えんのぎようじや)。役優婆塞(えんのうばそく)。神変大菩薩。
     山上様。えんのしょうかく。えんのおづぬ。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「易者の身の上知らず」
  他人の運勢を占う易者も、自分のこととなると何もわからないということ。つ
  まり、他人のことにはあれこれ言うが、自分の身の上については正しい判断が
  出来ないということ。
◎「えぐい渋いも味のうち」
  えぐみも渋みも好まれないが、なくてはならないものであるということ。
  【刳い(えぐい)】
   (1)あくが強くてのどを刺激するような味や感じがする。えがらっぽい。
      えごい。
   (2)気が強い。また、思いやりがない。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「枝を切って根を枯らす」
  敵を倒すのに、始末しやすい末端を攻撃し、自然に敵が衰えるのを待つやり方
  。
◎「得手に鼻つく」
  自分の得意なことだと、気を緩めてしまって、かえって失敗するということ。
  【得手(えて)】
   (1)最も得意とすること。また、そのわざ。
   (2)勝手気ままなこと。得手勝手。
   (3)(聞き手にそれと分かる事物・人物・場所などをさして)例のもの。
      例のこと。例のところ。
   (4)〔サルが「去る」に通ずるのを忌んでいう〕猿のこと。えてきち。え
      てこう。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「得手に帆を揚ぐ」
 or「得手に帆を上げ」  −江戸いろはがるた
  自分の得意とする領域に、勇躍(ユウヤク)して進むこと。また、待っていた
  好機が到来した時、逃がさずにこれをつかんで得意になり、調子にのって事を
  行なうこと。
  【得手(えて)】
   (1)最も得意とすること。また、そのわざ。
   (2)勝手気ままなこと。得手勝手。
   (3)(聞き手にそれと分かる事物・人物・場所などをさして)例のもの。
      例のこと。例のところ。
   (4)〔サルが「去る」に通ずるのを忌んでいう〕猿のこと。えてきち。え
      てこう。
  【勇躍(ゆうやく)】
   勇気にみちて心がはやること。副詞的にも用いる。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「江戸っ子は宵越しの銭は使わぬ」
 「江戸っ子は宵越しの金は持たない」
  江戸の者はお金の使いぶりがよく、その日に稼いだお金はその日のうちに使っ
  てしまって、翌日に繰り越して使わない、あるいは、持たない。
◎「江戸の敵を長崎で討つ」
  江戸で恨みを受けた相手を長崎で敵討ちすること。つまり、筋違いのこと、ま
  た全く関係のない所で過去の恨みを晴らすこと。
  また一節には、昔、江戸の見世物一座が流行っていたのだが、大阪からやって
  きた別の見世物に人気を奪われてしまった。ところがその大阪の一座も、今度
  は長崎からやってきた一座に人気を奪われてしまったことから、『江戸の敵を
  長崎が討つ』という説もあります。
◎「絵に描いた餅」
  絵に描いた餅は食べることはできない。つまり、計画などがどんなにすばらし
  くても、実現しなければ役に立たないということ。
◎「柄のない所に柄をすげる」
  もともと柄などついていないところへ柄をつけるということ。つまり、無理に
  理屈をこじつけること。また、難くせをつけること。
◎「海老(エビ)で鯛を釣る」
  わずかな元手で大きな利益を得ること。
◎「栄耀(エヨウ)の餅の皮」
  ぜいたくに慣れると、餅の皮までむいて、あんばかり食べるようになるという
  こと。つまり、度が過ぎたぜいたくのこと。
  【栄耀】〔「えいよう」の転〕
   (1)権力を得て、富み、栄えること。
   (2)ぜいたくをすること。気ままかってなこと。おごり。
                    −三省堂提供「大辞林 第二版」−
◎「選んで粕(カス)を掴む」
  いつまでも選り好みをしていると、かえってつまらないものを選んでしまうと
  いうこと。
  【糟/粕(かす)】
   〔「かす(滓)」と同源〕もろみから酒をしぼり取ったあとに残るもの。漬
   物などに使う。酒かす。
  【諸味/醪(もろみ)】
   酒・醤油などの醸造で、発酵がすんでまだ漉(こ)していないもの。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「襟(エリ)を正す」
            −蘇軾(ソショク)・前赤壁賦(ゼンセキヘキノフ)−
  乱れた衣服を整え、姿勢を正しくすること。また、気持ちを引き締めること。
  昔、中国に、日者(ニッシャ)を呼ばれる人達がいました。その中でも、長安
  に住む司馬季主(シバキシュ)は、特に有名でした。役人たちが彼のうわさを
  聞いて会いにいきました。役人たちは、彼からいろいろな話を聞くうちに、彼
  が普通の占い師ではなく、とても深い学識を持ったすばらしい人物であること
  に感動しました。役人たちは話を聞きながら、あまりの感動のために、自然に
  冠のひもを締め直し、上着の襟を正し、きちんと座り直して話を聞き続けた、
  という故事からです。
  【日者(にっしゃ)】
   卜筮者(ボクゼイシャ・易者)のこと。
◎「鴛鴦(エンオウ)の契り」  −御伽草子(オトギゾウシ)・浦島太郎−
  鴛鴦(エンオウ)は、いつも雄雌一緒にいて離れない習性があることから、夫
  婦仲のむつまじいこと。
  【鴛鴦】〔「鴛」は雄の、「鴦」は雌のオシドリ〕
   (1)オシドリ。
   (2)〔オシドリがいつも雌雄ともにいることから〕夫婦仲のむつまじいこ
      と。
   (3)有職文様の一。(1)を模様化したもの。つがいで描かれるものが多
      い。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−


◎「縁と浮き世は末を待て」
  良縁と好機とは無理に急いで求めないで気長に待てということ。
◎「縁と月日」  −京都いろはがるた
  「縁と月日の末を待て」あるいは「縁と浮世は末を待て」が原分です。つまり
  、良縁と好機とは無理に求めず自然に来るのを待つのが良いということ。
◎「縁(エン)なき衆生(シュジョウ)は度(ド)し難(ガタ)し」
  慈悲深い仏でも仏縁のない人は救えないということ。つまり、人の忠告を聞き
  入れない者は救いようがないということ。
  【衆生(しゅじょう)】〔梵 sattva〕〔仏〕
   心をもつすべての存在。苦のある世界である三界を輪廻(りんね)する。「
   人々」という意味で使われることが多い。時として、仏・菩薩をも含めるこ
   とがある。
  【度し難い(どしがた・い)】
   〔済度(さいど)し難い、の意〕道理を説き聞かせてもわからせようがない
   。救いがたい。どうしようもない。
  【済度(さいど)】
   (1)〔「済」は救う、「度」はわたす意〕〔仏〕衆生(しゆじよう)を苦
      海から救い、彼岸へ導くこと。
   (2)困ったり苦しんでいる境遇から助け出すこと。
  【彼岸(ひがん)】〔梵 pramit(波羅蜜多)の訳語「到彼岸」から出た語〕
   迷いを脱し、生死を超越した理想の境地。悟りの境地。涅槃(ねはん)。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
  【縁】
   仏縁のこと。
◎「縁の下の力持ち」  −尾張いろはがるた
  せっかく力がありながら、縁側の下にいたのでは認められない。つまり、他人
  のために陰にあって骨を折るばかりで世間に認められていない人のこと。
◎「縁の下の舞」  −京都いろはがるた
  昔、陰暦二月二二日に大坂の天王寺で聖徳太子聖霊会に行われた舞楽(ブガク
  )。舞台に上がらず舞台の下・人に見えないところで舞われることから、誰も
  見てくれないところで苦労すること。
  【舞楽(ぶがく)】
   雅楽曲のうち、器楽合奏を伴奏として舞を舞う曲。左方唐楽を伴奏とする左
   舞(さまい)と、右方高麗楽(こまがく)による右舞(うまい)に二分され
   る。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−
◎「縁は異なもの」  −江戸いろはがるた
  男女の縁は常識では考えられない不思議でおもしろいものだということ。「縁
  は異なもの味なもの」と続けることが多い。
◎「閻魔の色事」  −尾張いろはがるた
  恐ろしい閻魔が色事をすること。つまり、似つかわしくないこと。
  【閻魔(えんま)】
   〔梵 Yama〕
   (1)〔仏〕亡者の罪に判決を下すという地獄の王。笏(しやく)を持ち、
      中国の道服を着、怒りの相をあらわした姿で描かれる。もとインド神
      話中の神で、祖霊の王。焔摩。閻魔羅闍(らじや)。閻魔羅。閻羅。
      閻羅王。閻魔王。閻魔大王。閻魔法王。→閻魔天
   (2)〔閻魔の像が恐ろしい顔をしていることから〕借金取り。
   (3)〔うそをつくと閻魔様にこれで舌を抜かれるという俗説から〕釘抜き
      の隠語。
  【色事(いろごと)】
   (1)情事。恋愛。
   (2)芝居で、情事の演技・演出。ぬれごと。
   (3)情人。恋人。
                      −三省堂提供「大辞林第二版」−